蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
「そうか」

耕介の受けた依頼を聞いて、夏彦は安堵した表情になる。

「その面だと、獲物が被ったって事はなさそうだな」

「ああ…」

耕介の言葉に頷く夏彦。

正直言って、耕介と獲物の取り合いにならなかったのは助かった。

先の事件の際に耕介とはやり合ったが、本音を言えばもう拳は交えたくない。

元警察特殊部隊隊員の耕介を相手するのは、賞金稼ぎ気取りの夏彦の技術では厳しいのだ。

あまり敵に回したいとは思わない。

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