愛するお方が蛇となりました


「んもぅ、イタズラが過ぎるわ、あーなーたー、どーこー。マンネリ対策ならおあいにくさま。ワタクシ、あなたの想像だけで濡れてしまう女なのだからぁ!」


「女としてどうかしているイタイ発言すんじゃねえっ。んで、現実見ろ、前見ろ」


「きゃああ、蛇よー、あなたー、蛇がいるー。ワタクシ怖いわっ、あなたいなきゃ泣いてしまうほどに怖い!」


「今更しおらしく女らしく振る舞ってんな、逆にこえぇ!」


「ベランダ?キッチン?浴室?お手洗い?どこかしらー」


「だから、前見ろ!それと真っ先にトイレの扉を開けるお前の神経を疑うよっ!」


「……」


一連の流れでの判断。というよりも、他の部屋からあの人の気配がしない。物音とか匂いとか。


第一、玄関先にあった靴はワタクシが出かける前の位置より一ミリたりともずれていなかった。「今日は仕事休みだから、寝るわー」と出かけるワタクシに言った通りにしていたということ。もしも嘘ついたら前みたく、あの人の靴を燃やしちゃうけど。


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