ダーリンは12歳年下✦遠恋の果てに
コンコースを行き交う大勢の人たちを春の日差しが照らしてる。

キャリーバッグを転がしながら改札に向かう人、腕時計に目をやって足早に歩くサラリーマン、おみやげを両手に抱えた旅行客。

そんな人ごみをすり抜けて、私は雲の上をふわふわとよろけながら歩くような感覚で中央改札口に向かった。

はあ、緊張する…
ドキドキがとまんないよ…

私は居てもたっても居られなくて、優斗の到着の電話がかかってくるまでずっと周辺を歩き回っていた。

…と、その時。

♪♪♪~~

優斗からのコールで携帯が震えた。
そして私の手はもっと震えた。

鼓動が激しくなって胸がきゅぅぅん!ってなる。

優斗の着信音はヨハン・パッヘルベルのカノン。

まだ当時の携帯電話は着うたをダウンロードする機能なんてなかった頃だから、プリセットで入ってる曲を設定するしかできなっかたんです。

その中でも、このカノンの音色が一番のお気に入りの曲だったから、優斗の着信音に設定していた。

『あ…もしもし…』

緊張してうまく話せない。

『もしもし、到着したよ。今、中央改札に向かってる。』

『うん、わかった。私も中央改札に向かう。』

電話を繋いだまま、改札へ。

いよいよ、優斗とご対面!
本物の優斗と初対面!

改札から出てきた人ごみの中、私は優斗をすぐ見つけることが出来た。

写真でしか見てなかったけど、すぐ優斗だってわかったよ。

優斗は電話口で

『え?愛香どこどこ?』

そう言いながら周囲を探してたけど、でも私は気が付いてたんだ。

ホントは優斗だって私をすぐみつけてたのに、なんだか照れちゃって探すふりしてたって事を。

今でもカノンを聞くと、あの時の、あのときめきを思い出して胸がきゅぅぅんって痛くなるよ。
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