[完]俺様くんがスキなんです!!
~最終章~もっと感じて……

感謝感激~美紅side~

「お疲れ」
「……お疲れ様です」

私はそのまま会社を出た。

辺りを見渡すともう嫌なくらい暗くなっていた。

「寒っ……」

季節はもう冬。

痛いくらい冷たい風が私の足を刺激する。

「ねぇねぇ、今一人?」

バカみたいに寄ってくる男達も無視して歩く。

「おい、無視かよ」
「……ムカつくから」

そしてそのままその男の腹を高いヒールで蹴りつける。

「く……この、やろ……」

私こう見えても結構イライラ溜まってるんだから。

そいつを置いて私は暖かい白いコートを着て再び歩みを始める。

ープルルル

私の携帯が鳴り始める。

きっと相手は健人くんだろう。

「はい」
<あ、美紅ちゃん?今どこ?>
「あと2分でつくと思う」
<オッケー、じゃ、待ってるね>

私は健人くんの電話を切ってそのまま信号で止まる。

そして辺りを見渡す。

「いるわけないか……」

私の呟きはガヤガヤとした人混みの中に消えて行った。

そしてそのまま私はあの日のことを思い出していた。
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