いつも同じ空の下で



――翌朝




「おはよー」



バタバタと忙しなく1階のキッチンに入ると、お母さんがせっせと朝ごはんの準備をしていた



「おはよ、お母さん」

「おはよう。今日は1日練習試合でしょ?うんと食べて体力つけていきなさい」



と、何故か妙に気合の入っているお母さん

大会とかだったらまだしも、ただの練習試合なんだけどな...



それでも、なんだか嬉しくなって期待に応えるように、ご飯を大盛りで茶碗に盛った


――しかし、しばらくして調子に乗ってご飯を盛り過ぎてしまった事を後悔する私


うっ...もう入らない...


はち切れそうなお腹に鞭を打って、最後の一口を口に放り込んだ時



「あ、ジュリ。これお昼のお弁当。サンドイッチ作ったから持っていきなさい。」


その声と共に現れたものを見て、思わずご飯を吹き出しそうになる

テーブルに勢いよく置かれたのは、何人分!?と思えるくらいのランチボックスに入った大量のサンドイッチ



「こんなに食べたら、スパイク打つ時飛べないよ!」

「なに言ってんの!食べなきゃいい試合なんてできないわよ。あっ!それならユウキちゃんにも分けてあげなさいよ。あの子よく食べるじゃない」



名案だ!と言わんばかりの顔でそう言って、またキッチンへと鼻歌交じりで戻っていったお母さん

吹き出しかけたご飯を拭って、じっとりとした目で、その背中を見つめる



まぁ、たしかにユウキも食べるだろうけど、もうすでに沢山コンビニでお昼ご飯を買っているであろうユウキに、これ以上必要ないのでは?



そんな事を思いつつも、茶碗いっぱいのご飯をお腹におさめて、時計を見るともう8時すぎだった

その瞬間、勢いよく椅子から立ち上がる



「やっばい!もうこんな時間!」



いつもより沢山食べたから時間かかっちゃたんだ!


急いで自分の部屋に戻り、サポーターやらテーピングやらをカバンに詰めて急いで玄関へと向かった




「ほらほら!お弁当忘れてる!!」



すると、奥からお母さんがドデカイランチボックスを持って走ってきた



「わぁ!ありがと!じゃ、いってきますっ」

「いってらっしゃい。しっかりね!」

「うん!!」



元気よく返事をして、玄関で手を振るお母さんに笑顔を送った


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