いつも同じ空の下で

どれだけ、そうやって泣いていただろう


喉がカラカラだ

それに、妙に体がだるかった



それでも、徐々に冷静になってきて、ふとヨシキに殴られていた彼を思い出した



「そういえば・・・あの人は?」



あの後、私は気を失っていたから

彼がどうなったか知らない




「あぁ・・・アイツね。最初は警察に突き出そうかと思ったけど、そうするとユウキちゃんやジュリにも、その時の事を聞きにくるだろうから。絶対またそんな嫌な思いはさせたくなかった」



私の背中をポンポンと赤ん坊を寝付かせる様に優しく叩くヨシキ

その心地よさの中で、ヨシキの冷たい声が落ちる




「だから、もうボッコボコにしてやった。あっちも自分が悪い事したって分かってるから、警察には行かないだろうし」

「ボッコボコ・・・」

「それでも、ユウキちゃんとジュリの受けた痛みには足りないぐらいだよ」



そう言ってヨシキが少し苛立ったように話している

初めて見るその表情を、じっと見つめていると



「――ユウキちゃんには、ハヤトがついてる。時間はかかるかもしれないけど、きっと大丈夫だよ」



いつもの優しい声色でそう言って、柔らかく微笑んだヨシキ

その笑みに応える様に、私も口角を上げる



「うん。ありがとう」



そう言うと、ヨシキは優しくキスを落とす

チュッという小さな音と共に唇を離して、私を見つめるヨシキ



グレーの瞳に、私だけが映っている




「ジュリには俺がついてる」

「うん」





それから私達は

何度も何度もキスをした


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