いつも同じ空の下で


それからしばらくして、お父さんが帰ってきた



いつもの様に父がリビングに入ってきた瞬間

今宮家の愛犬「小太郎」と遊んでいたヨシキを見て、目をこれでもかっていうくらい見開いたお父さん



そんな父を見て、勢いよく立ち上がったヨシキ



「お邪魔していますっ」



そう言って、礼儀正しく挨拶をした後、いつものキラキラした王子様の様なスマイルをかまして、お父さんをも虜にした



さすが、英国紳士直伝の技・・・

恐るべし


あの笑顔に落ちない人間はいないのね・・・





――それから、家族4人とヨシキを囲んで楽しい夕食が始まった



お父さんに至っては、ひどくヨシキを気に入ったみたいで、お酒の力もあってか食事が終わってからも、ずっと2人で話していた

いつも以上にワイワイと楽しい時間

それでも




「あら、もうこんな時間!」



食後のプリンを食べ終わって時計を見ると、時計は9時をまわっていた




「親御さんに心配かけちゃうわね」



そう言って、バタバタと立ち上がって制服を持って走ってきたお母さん

あんなにビシャビシャだった制服も、なんとか乾いたみたいで、ほっとした



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