anjel







このよく分からない感情のせいで、


上手く翔輝と接することが出来なかった。


話しかけられても曖昧にしか答えられなくて、


ずっと避けていた。


……のに、今日は突然翔輝が部屋に入ってきた。


あの日、みっくん先輩と撮ったプリクラを眺めていたから


すっごく焦った。


「ちょっ!

 いきなりなによ!!」


慌てて隠す。


そんな私を見て、翔輝は部屋の中へ入ってきた。


「あっ!」


手で後ろに隠したプリを奪い取る翔輝。


あぁ、もう終わりだ。


また、怒られる。


嫌われる………


ぎゅっと目を瞑る。


「幸望………」


切ない翔輝の声が聞こえたのと同時に、


強く、抱きしめられた。


「ぇ……?」


目を開ける。


拒絶されると思ったのに。


どうして、抱きしめられてるの……?







 
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