anjel
でも、それ以上に、翔輝に会いたくない気持ちのほうが強い。
今会ったら、また喧嘩するか、
今度は私が怒られそうだもん……
もう、嫉妬とか、そういうので、喧嘩したくない。
どうしてこうなっちゃったんだろ……
「……の……ん?幸望ちゃん?」
みっくんに呼ばれて我に返る。
「あ、はい!」
「とりあえず、荷物取りに行こっか。着いて行くよ」
「いいですよ!私一人で大丈夫です!」
「いいからいいから」
ほら、と言ってドアを開けるみっくん。
有無を言わさないその言動。
結局着いて来てもらうことになった。
「幸望ちゃん、今日は翔輝くん家にいるの?」
「あ、たぶん、いないと思います。」
そう思って今行くんですよ、と言うと、
「そっか」
とみっくんは言う。
「怖いかもしれないけど、一度話し合ったほうがいいと思うな」
「お互い思ってることを、正直に相手に伝えないと、いつまでもすれ違ったままだよ?」
先輩にそう言われ、俯く。
…話し合う。翔輝と。
ちゃんとしないといけないって、分かってる。
でも、自分の中でもまだ整理できてないんだ。
これから先、どうするか……
仲直りして、やり直すのか。
それとも、別れるのか……