今日からトップ!?
「つーいた!」
抵抗も虚しく、連れてこられたところは、使われてなさそうな、倉庫。
重そうな扉を開けると、"ACE"と大きく描かれた横断幕が壁に飾ってあり、複数の男がいる。
え、私はここで襲われるのか!?
私まだ初めてだよ!?
ほら、初めては好きな人とってさ!!
それに、こんな大人数は駄目でしょ。
犯罪、犯罪だってば。
「わっ!」
ゆっくりと、ソファみたいなところへ降ろされる。
男たちはゆっくり私たちに近寄ってくる。
いやいやいや、怖いから、怖いからね?
「ちょ、待って、話し合おう?
話し合おうってば!!」
男のうちの一人が、ぐっと顏を近づけ、私の顏をまじまじと見る。
「やめっ・・・」
「ノブさん、なに女装してんすか?」
・・・はい?
「ノブさん、どこ行ったとおもえば、女装してたんすか!」
「そんな趣味あったんすね!」
「大丈夫っす!
ノブさんにどんな趣味があったとしても、俺らついていくっす!」
ノブ?
「ははっ、あははははっ、傑作!!」
秀太郎は、お腹を抱えて笑っている。
大爆笑。
「秀太郎、どういうことか、ちゃんと説明して?」
「わりぃー、わりぃー。
みんな、こいつ、ノブじゃねーから。
ノブの双子の妹、頼。
ほんと、似てるだろ!」
「まじ、分からなかったっす!!」
待って、全然私への説明になってない。
「ねぇ、ノブは?ノブどこなの?」
「・・・」
さっきまで笑っていた秀太郎が、急に怖い顔をする。
「あいつ、昨日から連絡とれねーんだわ。」
ノブと、連絡がとれない・・・?
ノブとは、
末吉信[スエヨシ ノブ]。
私の双子の兄であり、この"ACE"のトップ。