悪魔の微笑み

裏切り者









そんな中……





キーンコーンカーンコーン……






チャイムが鳴り響き、一限目の授業が始まる。




「起立、礼」




号令がかかり、ぎこちなくお辞儀をするあたし。

いつの間にかあたしの後ろには山ちゃんが座っていて、教卓にいるのは輝。

今日から輝の授業が始まるのだ。

何だか恥ずかしくて、ドキドキして。

前の生徒の陰にさりげなく隠れるあたし。

こんなんじゃ、心臓がいくつあっても持たない。





一方、クラスの女子たちは、「白浜先生」に夢中で。

きゃあきゃあと騒ぎ立てている。




横目でちらりと有希を見ると、有希は赤くなって下を向いていた。

その様子が激しくあたしの胸を打つ。





< 210 / 307 >

この作品をシェア

pagetop