悪魔の微笑み





「ねぇねぇ、白浜先生?

何だか今日の先生、いつも以上にかっこいい」




有希はそう言って輝のシャツの裾を掴む。




いつも以上にかっこいい……か。




今日の輝はすっきりとした紺のシャツにベージュの細身のパンツ。

モデルみたいでセンスも抜群だ。

だけど、そんなんに騙されてやらない。

どんなに輝がかっこよくても、この恋は終わったものだ。




そう自分に言い聞かす。

それでも有希が輝にベタベタする度に、心が痛むのだった。

だからと言って、正樹君の元へ戻る気にもなれない。

あたしの心の中は、罪悪感でいっぱいだ。





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