悪魔の微笑み

悲劇の始まり








それから数日……。






何とかあたしは存在している。




輝はあたしの前から姿を消し、渋々お兄ちゃんも登校の許可を出してくれた。

家に結界を張っても破られるから。

それならいっそ、外に出ていても同じだ。

だけど、お兄ちゃんは一つあたしに条件を出した。




「友達と常に行動しろ。

登校も、下校も、トイレにいく時も」




友達と一緒なら、輝だって無茶なことは出来ない。

だから、友達に守ってもらえと。







あたしだって、輝に会いたくはない。

あのおかしな気分を味わうのはごめんだし、何ていったって天使だから。

人間を相手にしているのとは訳が違う。

下手したら力を全部抜き取られ、魂まで粉々にされてしまうかもしれない。

そんなことを考えると、震えが止まらなかった。





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