その奴隷は愛に飢えて

転がる死体に向かって言葉を吐きながら、その少年は残骸を踏み潰した。


辺りに飛び散る異臭と血痕。


閉じ込められたこの空間で、なおその異様が目立った。



「ボクはムサイおっさんより、かわいーい女の子の方が好きなの。お前らになんか抱かれないもんね」



女の子のいないこの空間で、欲を満たそうと男がとる行動は、可愛い男の子で発散することだ。


その標的となったのがこの少年。いやしかし、相手が悪い。


その華奢な体からは想像もつかないほど酷な力が、この可愛らしい少年には備わっているのだから。

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