インストール・ハニー
 でも、せっかくだから誕生日当日はちゃんとケーキでお祝いしたいなぁ。2人きりかもしれないけど。こうやって集まって遊ぶのは今日だけだし。


「楓、っていうから誕生日は秋かと思ってたけど、夏なんだね」

「そ、そうだね……えへへ」

 そこ突っ込まないで一海。

「いま19だもんね? 10代最後の夏かー。ねぇ私達にもそういう頃あったわね」

「その頃って会ってたっけ?」

 オーナーとママさん、10代からの付き合いなのか。友達の両親の話だからなんか新鮮。

「付き合ってないけど会ってたじゃない。高校卒業してからだもの」

「忘れたなぁ」

 オーナー、照れてるだけで忘れてないだろ。すっとぼけた顔してる。

「まぁ、末永く仲良くやりたまえ。君たちも」

 オーナーにそう言われて、乾いた笑いを浮かべたあたしと楓だった。

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