君しかいらない~クールな上司の独占欲(下)


「堤チーフと新庄さんて、関係あったんですねえ」



堤さんの隣に座った高木さんが、赤い顔で陽気に言う。



「僕も、ブレストの時驚いた」

「俺も」



メディア、製品チームの両方から、口々に声が上がる。



「企画部で、一年間だけでしたけど」



常温の日本酒をマイペースに飲みながら、堤さんが言う。

この人も、相当お酒が強そうだ。


ふと、向かいの私と目を合わせて、にこりと笑った。



「新庄は、厳しかった、大塚さん?」

「そう、ですね、妥協を許さないという意味では」



つっかえそうになりながら、なんとか答える。

なんで、いきなり私に振ったんだろう。



「いい男だよね」



見透かすような目で見つめられて、うなずかざるを得ない。



「堤さんも、負けてませんよ…」



いたたまれない気持ちでそう言うと、またまた、と軽く流された。



「林田さんも、顔だけはいいし、うちの歴代チーフは男前が多いよな」

「顔だけとか、やめてくれる?」



堤さんの視線が気になって、私は、みんなの軽口に加わりそびれた。

< 47 / 121 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop