Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
「今、言わないと俺の好感度下がっちゃいそうだし」
「だって……」
「俺、霊感ゼロなんて言った?」

 思い返せば、確かに彼が霊的な力を持っていないと言った記憶はない。
 理解している素振りで、けれど、持っているとも言わなかった。

「あ、これ、みんなにはナイショっスよ?」

 圭斗は人差し指を口元に当てる。
 その仕草にさえ目を引き付けられるのはどこか神秘的だからなのかもしれない。

「でも……」
「まあ、その内バレそうっスけどね。能ある鷹は爪を隠すって言うじゃないっスか。自分から言う奴なんて胡散臭いし」

 圭斗は尚も続けるが、紗綾は理解が追い付いていない。霊感など欠片もない紗綾にとっては、彼らの世界のことはわからない。
 サイキックと一言で言っても様々なタイプがいるらしい。その辺りのことは前に十夜や嵐からオカ研における必須知識として聞いたことがある。
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