Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
「しっかし、部長は本当に魔王って感じっスね。いや、むしろ、俺の魔界王子っての、あんまり定着してないんであげたいぐらい」
「妙な存在感あるよねー。性悪のくせに」

 黒王子と化した黒羽十夜、確かに魔界王子の異名も似合うかもしれない。
 だが、魔王と言われるだけの存在感もある。
 恐怖の対象として、悪魔や魔王と言われてきた彼だが、紗綾はできるだけネガティヴに捉えないようにしていた。
 忌避されることは彼が望んだこと、黒い噂が流れるのをそのままにしているのも、そういうことだ。
 自ら噂の元も提供している。だから、紗綾も自分に関する噂を気にしないことにした。
 一般生徒と近すぎない距離を保つこと、それが重要だと毒島鈴子は考えた。彼女自身魔女と言われたのは極自然な流れだった。
 冷やかしに付き合う暇はない。本当に助けを必要としている者、藁を掴もうとする者の力になるためにそうしたのだ。
 それは、サイキックの負担を減らすためだったのだろう。悪魔に理不尽なことを頼もうと思う人間はいないだろう。
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