ラスト・エンジェル

優しい顔で

タクシー乗り場。数台のタクシーが列をなして待っていた。

乗り込むと外気と異なりタクシーの中はとても暖かい。車の窓ガラスが真っ白になっていた。

新横浜からマンションまでは約30分で着いた。

タクシーを降り、家に着くと、すぐに火葬場に予約を入れた。シオンを焼いてもらったときと同じ火葬場にした。

しおりは一言で言うと『おてんば娘』だった。可愛いのによく男の子にも間違えられた。

時間はお昼を少し回ったところ…予約を夕方の4時にして、しおりを連れて、しおりがお世話になった人に挨拶して回った。

動物病院の方々、犬の美容室の方々、しおりを通して知り合った犬友達の方々…しおりの姿を見るとみんなが涙してくれた。

動物病院で
「これまでお世話になりました。」
…そう自分で言ったとき、シオンがなくなったときと異なり、もうそこに来ることがないことに気づいてハッとした。

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