【完】キセキ~君に恋した時間~





勉強できて運動もできて、性格も良くて
。……更にはお金持ちって、と思わず失
笑したくなる。



磯部は、勉強会という理由をこじつけて
、バスケ部三年で遊びたかったらしい、
というかそれが目的だったらしいが。



「そんなんじゃ落ちるよ?」と笑顔の栄
生君に撃沈。



栄生君の黒い部分に触れてしまった磯部
は、すごく大人しくなってしまい、いつ
も峯本と同じように騒がしいのに、今日
は随分と大人しかった。



流石というかなんというか。磯部のテン
ションをああも確実に殺せるのは、栄生
君くらいだと思うし、最早職人技だ。



福田さんと栄生君は、もう余裕らしく、
俺らを教える側に回ってくれて。



そんなこんなで勉強会を終えた、帰り道




磯部と歩くアスファルトには、白い雪が
積もっていた。



美海が来た日以来の雪───。



東京に降った、二度目の雪。



サク、と雪を踏みしめながら歩いている
と、美海のことを思い出す。





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