【完】キセキ~君に恋した時間~
なんで。どうして。───だけど。
ぐ、と爪が食い込むくらいに、力を入れ
る。
こんなことで弱気になってどうするんだ
。俺が決めないで、誰が決める?
大丈夫。
息を整えて、慎重にやれば──大丈夫。
そう俺は、信じるよ。
───『自信を持つんだ』
ボールが手のひらから離れた瞬間、思い
浮かべたのは、栄生くんのそんな言葉と
、美海の声だった───。
『ありがとうございましたっ!!』
両チーム整列し、お互いに頭を下げて、
そう挨拶をした。
そして、解散した後───。