トワイライト
  会長室から出る道すがら瞳子は
「あなた。この短期間のうちに色々な事があったわね。私とても辛い事だけれど、つい最近まであなたから別れを切り出されても仕方がないと覚悟をしていたの。でもあなたは短い期間に起きたさまざまな出来事を全て忘れて、ロサンゼルスで新たな気持ちで暮らそうって言ってくれた。ああ、私は再び崇晃と一緒に暮らせるんだわと思って、その時とっても嬉しかった。私あの時の崇晃のやさしさを一生忘れないわ。崇晃ありがとう。そしてこれからも宜しくお願いします」
  としんみりとしながら言って、丁寧に瞳子は崇晃に頭を下げた。




「ああ、瞳子。君もあの時理子さんにした事に対する罪を認めてキチンと理子さんに謝罪をしたし、理子さんもそれを受け入れてくれて、和解した。だからもう辛い事はお互いに忘れよう。ちなみに僕には後にも先にも君しかいないから。これからも君をずっと大切にするよ。瞳子こちらこそこれからも二人で仲良く暮らしていこう」
  と、崇晃は言った。




「崇晃」
  と言って瞳子はその崇晃の温かな言葉に、思わず目頭が熱くなり、次代に瞳子の目からは涙が溢(あふ)れ出した……。
< 247 / 321 >

この作品をシェア

pagetop