トワイライト
「ねえ、慎也。人の出会いって本当に不思議よね。私が大雅さんにこうして有と間違えられなければ、おそらく私だって有の身代わりになる事もなかったんだし、ましてやその後慎也と私とで必然的に、有を捜すと言う展開もなかった訳じゃない?でもって有が私の双子の妹だったって事も全く知らずにいたはずだわ。それに当然母の隠された生い立ちにも気づく事なく、人生を終えていたかも知れない。




  そう思うと私なんかこの短期間に自分達が体験して色々な事を知った事が、とっても大切な事のように思えてきたの。まあ、人の人生は決して平坦ではないのだと言う事は私にも解るんだけれど。




  ねえ、慎也。私達がこれから結婚をしてからの二人の人生にも、色々な困難が待ち受けているのでしょうね。




  でも私全ての物事に対して決して逃げる事なく、真剣に向き合う事が大切なんだって事を今回この一連の体験を通して、学んだ気がするんだ」
  と美有はしみじみと言った。
< 274 / 321 >

この作品をシェア

pagetop