トワイライト
  が、しかしこの時正直なところこうして有が自分の実の妹であると知った美有自身の胸中(きょうちゅう)も穏やかではなかった。偶然とはいえ大雅から有と言う女性に間違われた事が、やがてこのように自分の身に及ぶ事になるなどとは到底想像していなかったからだ。そしてこの時美有はこの先有を捜すと言う事は、自分自身のルーツを辿る事にもなるんだなと思い、複雑な気持ちになった。




  そしていつしか美有は『長い人生において自分が出会う事の出来る全ての人々は、きっと自分自身がなにかしらの事を学ぶために用意されたものである』と言う言葉を思い出していた。だが美有はその言葉が誰の言葉だったのかを、もうとっくに忘れてしまった。でも確かその言葉は『良きにつけてもまた悪(あ)しにつけても、同等にその人自身の心を成長させてくれるものである』と、続いたように思う。




  それにしても突然に降って湧いた有と自分が双子の姉妹であると言う事実。それは美有にとってはまさに青天の霹靂(へきれき)とも言えるものだった。だがこの出会いは自分にとってきっと避ける事の出来ないものだったのだろうとも思えた。これまで平々凡々と暮らしてきた美有。だが大雅から有と間違われ、生活が一変した現実。
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