たった一つだけの宝物をさがして
序章

希望(のぞみ)の思い……其ノ1

この世に未練などない。
わたしがいるべき場所じゃない。
……わたしの……わたしの……わたしの居場所なんかない。
わたしが居たらみんなが困るだけ。

……いつもそうだった。困らせないようにしてきたけど……いつもみんな困ってた。
わたしは荷物……重いおもい荷物。
みんなが

「よっこらしょ」

って背負っていた荷物。
……いや背負わせていた荷物。
体ではなく心に。
見えない荷物だった……?
ちがうわたしは見えない荷物そのもの。
常に疲れさせていた。

……ごめんなさい。
ずっとずっと困らせてしまって、疲れさせてしまって。
わたしが消えればみんなが楽になる。
もうすぐ楽になるからねみんな……

わたしはいなくなっても心配などされない。
誰にも。
だけど、先に行ってごめんなさいお父さん・お母さん。
親不孝な娘で子供でごめんなさい。
けれどこれでいい。
後悔などない。
生きていることが後悔しているから。

なぜわたしは生まれてきたの?

生まれてなんてこなければよかった。
みんなを困らせる生き方なんてしたくない。
誰かを困らせるぐらいなら……苦しませるなら生きたくはない。
きっと一番わたしが楽になりたいから。
だから……だからわたしは消える。
わたしが消えれば誰も苦しまずに済む。

もう誰もわたしのために苦しんでほしくない。
わたしがいなければいいのだから……

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