花言葉を君に。
2章 紫のライラック

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…朝、偽りの家族で過ごす時間が、憂鬱で仕方がなかった。


それに、どうせ学校へ行っても居場所なんてないからって、開き直っていた。


でも、今は少しだけ違う。


朝、学校へ行きたくてうずうずしてる自分がいる。


教室に行く前に、真っ直ぐ向かう場所がある。


誰も来ない、静かな裏庭の花壇。


今は無き園芸部の部活場所だった、花壇。


ココはあたしの唯一の居場所。


そして…


「ユウキ先輩。」


花壇の前にしゃがみこむ男性に声をかける。


振り向いた男性は、笑顔であたしの名前を呼んだ。


「おはよ、紫苑ちゃん。」


ココはユウキ先輩と会える大切な場所。


「おはようございます。」


朝、登校してから予鈴が鳴るまでの時間が、あたしの大切な時間。


初めてユウキ先輩と出逢った日から、まもなく2週間が経つ。


“偶然の出逢い”…黄色のゼラニウムがあたし達を引き合わせてくれた。


心を開けると思える人に出逢ったのは、どれくらいぶりだろう??


それくらい人を信じることができなくなっていたあたしは、ユウキ先輩を慕っていた。


ユウキ先輩のことを何も知らずに、ただこの“想い”の種に水を、肥料を、日光を注ぎ続けていたんだ。




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