【続編】スパイシーな彼~彼女が生きた証愛した瞬間
訃報
桜が満開の会場前の広場の木下で、母晴香の喪服の肩にのった花びらを、世利はそっと取った。


晴香より少し背が高く、入学式を終えたばかりの、真新しい制服を着て、悲しむ母を気づかいながら、歩いている娘…


筒井 世利


15歳


希望の高校に無事に入学…


母 筒井 晴香


とても似ている親子は、姉妹に見られるほど、母は若く、娘は少し大人びて見える。


優しく気立ての良い顔立ちが、母親譲りの娘と成長していた。


晴香の古くからの知り合いが亡くなったと聞かされ、学校から帰ると急に世利も一緒に通夜に行くことになっていた。


「ママ、亡くなった人って、お友達?」


「お友達の奥様なの…」


「世利も会ったことあるの?」


「……ママのお友達とは…世利が赤ちゃんの時にね~」
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