【続編】スパイシーな彼~彼女が生きた証愛した瞬間
憲吾もまた、晴香の気持ちを理解していた。


祐輝がいなくなっての数日は、明るく過ごしていた。


でも1週間ほどすると、考えていることが多かったり、食欲が落ちたり、不安定になっているのが見えていた。


1月は晴香の実家にいたが、晴香の希望で、近所に部屋を借りて、3人だけの生活をはじめる。


眠れないと、夜になると泣き出すことも多くなり、病院に連れて行くことにした。


診断結果は、恐怖心からくる、自律神経の乱れが原因とのこと…


少しずつ回復すると、女性としての機能も戻るだろうという結果だった。


薬を飲むことで、落ち着いてはきたが、眠くなる薬なので、夜の世利の面倒は、ほとんど憲吾がみていた。


謝る晴香に憲吾は優しく言う…


「晴香の苦しみは、俺の苦しみ…ゆっくりでいいから、元気になろうな」


変わらない憲吾の優しさに晴香は包まれている。
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