【続編】スパイシーな彼~彼女が生きた証愛した瞬間
嬉しい知らせ
「祐輝!聞いて!私ママになった…」

結婚してから5年、瑞希の体調が良くなり出して、3年目の嬉しい知らせだった。

祐輝も父親の仕事を引き継ぎ、父は、介護施設での生活にはなっていたが、地元に戻り、母親と仲良く過ごしていた。

瑞希も、3年前の入院時から、一度も入院することもなく、薬も飲まずに過ごせるまで回復していた。

自然に任せる…

祐輝のその言葉通り、瑞希は、自然な形で妊娠した。

「本当かい!瑞希~おめでとう…」

「ありがとう…私お母さんになれる…」

涙がこぼれた瑞希の瞳には、嬉しさと、母親になる喜びにキラキラ輝きが見えていた。

何事もなく、穏やかに流れていた時間…

ただ祐輝には、瑞希と喜びながらも、不安はあった。

妊娠イコール、瑞希の命を縮めるのではないかという不安…

ただ、瑞希に不安な自分の気持ちを見せるわけにはいかない。

定期的に通う、中舘医師から話しを聞こうと祐輝は思っていた。

瑞希が通う病院には、産婦人科もあり、中舘は引き続き、瑞希を見てくれることになっていた。

瑞希と検診に行き、中舘医師と、産婦人科の担当医から話を聞く。

瑞希の場合、周りの妊婦さんより、食事制限、体調管理が必要になる。

妊婦にとって、むくみは、妊娠中毒症の危険もあり、特に注意が必要と告げられた。
< 266 / 279 >

この作品をシェア

pagetop