復讐のkiss
「特に用などないんですが・・・

…オシリスも、たまには失敗するんですね?」

そう言ってミラは、柔らかな顔で笑った。


…自分のしでかした失態に、

顔が赤くなる。

「オレだって、人間だ。

たまにはこういう事もある・・・」

目線は逸らしたままそう呟いた。



「そうですよね・・・

でも、ちょっと安心しました」


「・・・え?」


「貴方はただきついだけの人だと思っていたので」

「…悪かったな、オレはそんな人間だ」


「そんなことありませんよ。

人並みの失敗もするし、

私を気遣ってくれる優しい心もお持ちです。

戦中、私を何度も助け、何度も声をかけてくれた」


…ああ、やっぱり。

ミラは、オレにとって、大事な人だ。

心から想えた瞬間だった。
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