復讐のkiss
イスタ帝国が完全に押していた。

全軍挙げての攻撃に、グリフ軍も後退していく。


最終決戦は難なく終わるものだと思っていた。

・・・だが、それは甘い考えだった。


グリフ軍の指揮する中央軍は、

後退したと見せかけて、一気に進軍してきたのだ。

中央軍を指揮する私は不意を突かれ、

一瞬怯んだ。


・・・そして、いつの間にか、

私の目の前には、グリフ本人が立ちはだかっていた。


「馬を下りろ、ラメセス。

もう、これが最後の戦だ・・・

大将戦と行こうじゃないか」


そう言って馬を下りたグリフ。

…私はそれには答える事はなかったが、

馬を下り、グリフに近づいた。

…もちろん、剣を構えて。



「…ミラ、お前なのか?」

私の顔を改めて見つめたグリフは、

ただただ驚きの表情をしていた。

自分の前に立っているのはラメセスだとずっと思っていただけに、

相当の驚き様・・・


そうしている間にも、

戦はどんどん進行していた。

左翼を指揮するラメセスの軍が一気に攻めた。
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