復讐のkiss
「私にはジェフティがいます・・・

貴方は王のそばで、王をお守りしなければ」



「ジェフティ様は、どう頑張ってもよそ者です。

剣が使えても、信頼はない。

私はここでは剣も使えるし、信頼もある。

王の側近だからこそ、ミラ妃をお守りできます。

今回の戦は、私がいなくても、他の者だけでも十分です」


…ラメセスなりの優しさ。

その優しさは果たして嘘偽りのない物なのか。

どんどん彼の気持ちが分からなくなる。


「ジュセフさん」


「…なんですか?」


「なぜ、ラメセス王は闘うのですか?」


「この世界を平和なものにしたいからです」


「…戦は平和をもたらさない」


「…確かにそうですね。

本当は、ラメセス様も戦はお嫌いです」


「・・・じゃあなぜ?」


「他の国が、強さを求めるから・・・

一番上に立つものは、

強い者でなければいけないと言うからです。

この戦、すべてが終われば・・・

戦のない時代が来るでしょう・・・

それまでラメセス様は闘い続ける」
< 28 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop