復讐のkiss
「ミラ待って」

「ネチェル、遅いよ」

ミラは笑いながら走って逃げる。

・・・そうだ。

オレは名前を偽っていた。


父王から、本名は知られてはいけないと言われ、

オレは咄嗟に、エジプトの神、ネチェルの名を

言って偽った。



…間もなくして、

ミラを捕まえたオレは、

勢い余ってミラと共に、その場に倒れこんだ。


ミラは可笑しそうにクスクスと笑っている。

オレも可笑しくて、声をあげて笑った。


「…ミラ」

寝転がったまま、ミラの名前を呼ぶ。


「・・・何?」

ミラも寝転がったまま、オレを見つめた。

・・・その顔を見た途端、

小さいながらに、ミラを守りたい、そう思った。



「オレが大きくなったら、

ミラ、オレのお嫁さんになってくれる?」


一瞬驚いたミラだったが、

すぐに笑顔に変わり、頷いた。


「大きくなったら、

私をお嫁さんにしてね?」
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