君だけの天使になる




「白ちゃん...私待ってるよっっ...
 ここで待ってるから早く来てよっ!! 
 白ちゃんっっ――!!」


 
 伝わってるよ。
 十分すぎるくらいに、俺の中に伝わっ
 てる。


 
 いつも、ここの公園で待ち合わせして
 遊んでた。


 春香と一番思い出のあった公園。
 俺は泣いてる春香を慰めてやること
 すらできない。

 思い出が溢れ出て、涙して、溢れ出て
 涙して...


 春香は、俺が死んだことが信じられ
 ないんだ。


 俺だって信じられないけど。


 

 春香。
 
 お前はこれからちゃんと生きて
 いくんだ。

 俺はもう死んでしまったから
 二度と、春香とは

 話も

 会うことも
 
 笑ってやることも

 ...傍に、いてやりたくても
 居てやれないんだ。



 俺、馬鹿だったけど春香には笑って
 いて欲しい。

 だから、早く俺の事なんか忘れて
 春香には幸せになって欲しい。


 春香―――...

 俺の春香っ―――...

 大好きだった春香―――...

 幸せそうな春香―――...


 俺は、いつだってお前の傍にいる。


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