君だけの天使になる




 向こうもこっちに気づいたみたいで、
 さかさかと春香の前にきて

 手に持ってるジュースを春香の頭に
 かけた。


 ばしゃっ―――


「なんであんたがここにいるのよ。
 アンタなんか、いなきゃよかったのに!」


 春香の顔から笑顔が消えた。
 頭から零れ落ちてくるジュースを
 慌てて杉山がふき取る。


 なにするんだ斉藤っ!!
 春香は、何も悪くないのに!!


「おい何するんだ斉藤!!
 春香はなにも悪くないだろ!?」


 驚いた。
 俺の思った言葉を杉山が話した。


 もしかして、俺達ってどこかで繋がって
 いるのか??



 っと、そんなことどうだっていい!!
 春香っ――――...



「ごめんっ。ちょっと一人にさせて」



 おい、杉山!!こんな時追いかけろよ!!
 なんでみんな黙って見てんだ!


 俺だけでも春香を追って、春香の
 クラスに、教室に入った。



「...白ちゃん...私、もう分からなく 
 なっちゃった...」


 春香は、窓から後夜祭を見ながら
 ずっと下り座って体操座りになる。



 一人で抱え込んで

 一人で泣いて

 一人で強がって...


< 22 / 32 >

この作品をシェア

pagetop