カタオモイからはじまる恋

王子様


家に帰る途中雨が降り始めた。

空を見上げると空は暗い雲がたくさんあった。あたしの心と一緒だ。

なんてこと思いながら、
雨は徐々に悪化してゆく。

「親にお迎え頼もう!」

と思い携帯を探す。

あれ、携帯がない。鞄がない。
悠稀の家だ。

今更戻るのもね。
でも、このまま帰るのも…
それ以前に…ココドコ?

見事に迷子。

知らない公園が目に入る。
小さな小さな青いお家がある。

そこで雨宿りしよ!

青いお家に入ると天井には落書きがたくさん。

相合傘がたくさんあって
そこには名前が入っている。

“ずっと一緒♡”
“大好き”
“Since2.29~”
“仲良しこよし♪”

こんな感じのがいっぱい。

それより、
「寒っ」

独り言を言いながら
雨が止むのを待つ。

止む気配なんてないけどね。

少女漫画とかだったら、
王子様が迎えに来るんだろうな…


「王子様なんてこないか…」

「来たけど?」

「え?…爽翔さん…」



王子様…
なんて不意にそう見えてしまった。
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