俺のこと好きになるの禁止だから!!





キーンコーン―――


終業のチャイムが鳴る。



「あ、もう夕方じゃん」



ここ数日、練習を行っているといつの間にか夕方になっている。



集中してるってことなのかな?



「2人ともそろそろ帰ろっか!」


ヒカリにそう言われ私と出口さんはそれぞれ自分の席で帰り支度をし始めた。



いつものように荷物をカバンに入れる。




……お腹減ったな……




―ぐぅ~―




ビクッとしながら周囲を見渡した。




「…。」



出口さんと目が合う。



「お腹すいたねっ。」



聞こえていませんようにとかなんとか祈りながら同意を求める。




「唯~。聞こえたぞ~」




「ヒ、ヒカリッ!?」




後ろの方からヒカリに話しかけられた。



「唯ちゃ~ん。そんなあなたのために朗報です!!」



「え?何?」




「なんと、あの丘の向こうに焼きたてのパン屋がOPENしたんです!!」



そういえば、そんなチラシ見た気がするぞ。



店の名前は確か…『フレンズマーガリン』




学校の近くにあるコンビニの角を曲がってすぐだ。




「あ、あの美味しいパン屋!?私行きたいなって思ってたの!!」



と、出口さん。



「じゃあ決定~。唯もおいでよ!」



「行く!行くに決まってるじゃん!」



も~ホントにお腹すいたよおぉ~



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