俺のこと好きになるの禁止だから!!



「もう決めたことだからぐちぐち言うな!」




彼は私の態度に腹を立てて言った。




「じゃ、続き書くぞ」



…ちょっとカリカリしているのがわかる。




だって字がさっきよりも乱暴なんだもの。



『宿題』だから私みたいなのと付き合うんだろうけど、



ツバサは好きな子とかいないのかな?




「おい、お前、寝るな!手が止まっているぞ」




まるで、先生みたいに注意するツバサ。




疑問はたくさんあるけれど、




今は、ちゃんと勉強しよう。



今度ちゃんと聞いてみよう



そう思って



私は、数学の勉強の続きをしたんだ。



勉強すればするほど、思った。



私ってバカだったみたい。



ツバサが



「こんなこともわからないのか」



って言いたくなる気持ちが少し理解できた。




勉強、勉強かぁ。できたら楽しいんだね。




ツバサはずっと勉強続けていたのかな?




なんだか、気持ちから私とは違うみたいな気がしてきた。




「…ん?なんだ?唯」




「ツバサって勉強好きだね」




「んなことねーよ。ただ…」




「ただ?」




「知ろうとしないのは罪なんだって思ってるだけさ。」




…罪?




なんだか、遠くを見つめる彼の方を見て私はそれ以上聞くことができなかった。


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