俺のこと好きになるの禁止だから!!



つかつかと近づいてくるツバサ。



「お前、いつまで横になってんの?」



くいっと私の頬をつねると、不気味に笑った。




「おぎるおぎるから、う、うばさでぇばなじてよ~」




「はは、面白いヤツ」



だって。



オノレぇ…



「じゃ、次お前の番だぞ」



…ん?




「だから、お前の番。」




何の?




「お前が嘆いてジュリエットにキスするシーン。」




つまりそれって



私がツバサに…?




「何してる?早くしろよ。」



私の顔はおそらく真っ赤。



「え、え、え、演技のせりふだってお、覚えてないし。それにツバサにキスだなんて…。」



「…台本持ってやっていいから、とりあえずヤレ。」




き、きびしいィ…




「…え、えっとどこから?」




と聞く私を横目に



「やっぱ短いな…」



とか何とか言いながら机をもう一列追加した。




「4章ラスト、ジュリエットの死を聞きつけたロミオが教会でジュリエットを見つけるシーンからだ。」




並べた机に乗り横になろうとするツバサ。




心臓がバクバクする。




「俺は、倒れて死んだふりしてるからお前、頑張れ」



演技、演技かぁ…



こんなはずじゃ、なかったのに…


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