シルティアの魔術師
講堂内を見渡すと、エリス・タートスに限らずほとんどの人々が涙に濡れておりました。


それは逆に涙を流していない者が特異に見えるほどでした。



そんな中、王族席に1人、涙を見せないどころか悲しみの感情さえその顔に浮かべず、棺と泣き崩れるエリスを見ていた人物がいました。


その眼は鋭い光を放っており、それはまるで人を射抜かんとしているかのようでした。
< 33 / 141 >

この作品をシェア

pagetop