君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
運転している東野さんの横顔を盗み見る。


女じゃなかったら、こんな風に家まで送ってくれたりしないわよね?


東野さん…勝手に少しくらい自惚れちゃってもいいですか?


それに―…


「櫻田。…そんなに俺の秘書として働きたいなら明日からついてこい」


「えっ…?」


突然の思いもよらぬ東野さんの言葉に、頭がフリーズ。

今なんて言った!?
私の聞き間違えじゃないわよね?


ちょうど信号が赤になり、車は停止。すると東野さんがこちらに視線を向けてきた。


もちろん私は東野さんを見つめていたから、自然と目が合ってしまい、つい顔が熱くなってしまう。


「櫻田。お前に任せてみるよ。…櫻田の努力の五年間、見せてもらいたいしな」


「東野さん…」


ヤバイ!また涙が出そうだ!


ちょうどタイミングよく信号は青に変わり、車が走り出す。


東野さんはまた前方へと視線を戻した。


良かった。この姿を見られずにすんで。


そのまま私も窓へと視線を向け、喜びを噛み締めていた。


嬉しい…嬉しすぎるよ。


櫻田菜々子。
東野さんの信頼を少しだけ得られた…かな?


「…あれ?何か忘れているような…」
< 123 / 411 >

この作品をシェア

pagetop