君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
そもそも、よく考えるとさ…私にあの完璧な東野さんの秘書なんてつとまるだろうか…


ヤバイ…急に不安になってきた。


「菜々子?どうした?」


「あ―…うん。ちょっとさ、私なんかに東野さんの秘書なんて務まるか不安になっちゃって…」


チャンスだって浮かれていたけど…ボロ出したりしたらさ、逆にピンチなんじゃないかな。


「バーカ。な~にを弱気になってんだよ。菜々子らしくねぇじゃん?…昔から強気だったじゃん。それに誰よりも努力家だった。俺…そんな菜々子知ってるよ?頑張れよ」


「翔ちゃん…」


「まぁ、あれだあれ!ダメだったらダメでいいんじゃね?それくらいの気持ちで頑張れ」


「えぇ~!ダメだったらって…よくないよ。そしたら私、立ち直れない…」


「その時はいつだって慰めてやるから。な?頑張れ」


「…なによ。翔ちゃんは。優しく言ったりきつく言ったり」


「アメとムチ攻撃だよ」


そう言って翔ちゃんは、私の頭を軽く叩いた。


うん…

でもなんだか勇気が出たよ。

私なりに頑張ってみよう。

東野さんの仕事をしっかりサポート出来るような秘書になりたい。
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