君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
「今からやればいいじゃないか。...それに俺に話したってことは、どうにかしたいって気持ちがあるからだろ?」


東野さん...。


「正直、凄いと思ってたよ。受付に配属されたのに、認められて秘書課に配属されて。...そんな菜々子なら何でも出来るんじゃないか?」


優しく話す東野さんの言葉に、自然と涙が零れた。


「それに...」


「ッキャッ!」


急に視界が半回転し、上には東野さん。
ゆっくりと距離が縮まってきて、涙を拭ってくれた。


「やっぱ心配。幼馴染みって言ってもあいつ...」


「あいつ?」


「あぁ、菜々子を送っていった時に会った奴。翔ちゃんか?いくら三人で暮らしているとは言え、男も一緒かと思うと、やっぱ心配」


そう言うと東野さんはそっとキスをする。


「悪いけど俺、女々しい上に嫉妬深いみたいだから...」


そんな東野さんの言葉が嬉しくって笑ってしまった。


「笑うか泣くかどっちかにしたらどうだ?」


「すみません。だって..」


嬉しいんだもの。

だってやきもち妬いてくれたんでしょ?

あんなにも悩んでいたのにな。

恋愛って恐ろしい。


「前向きに考えてみます。頑張って自立出来るように...」


桜子や翔ちゃんと離れるのはやっぱり寂しい。

でも私、それ以上に東野さんに嫌な思いをさせたくないって思っちゃうの。


だって私が逆の立場だったらやっぱり嫌だから...。


「さて、と。もう眠いか?」


「えっ...わわっ!?とっ、東野さん!?」


急に私の首元に顔を埋める東野さん。


「もう一回...」


もう一回って...!!


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櫻田菜々子。
この時の私は本当に幸せ過ぎて...。
この後に起こるあんな出来事なんて、全く予想出来ずにいた。
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