君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
東野さんは言っていたけど、本当に?

私が秘書としてついて行かないって言ったら、どうするの?
遠恋??
ついて行ったとしても、私に務まる?
英語でコミュニケーションとれる?...この前みたいに、一緒に仕事をする東野さんと大貫さんを目の前で見ながら、仕事なんて出来る?


...出来るわけないじゃない。
どっちも無理。じゃあ私は一体どうすればいいのよ...。


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鍵を開け、家に入ると二人の姿はなかった。


「よかった...」


結局あのまま歩いて帰宅し、すぐにシャワーを浴びる。


「さっぱりした」


今日はもう寝よう。今日だけは何も考えたくない。

着替えを済ませ、リビングに行くと帰宅していた翔ちゃんが、なぜか床を拭いていた。


「あっ、菜々子!お前ずぶ濡れで帰ってきたな!?床がびしょ濡れだったぞ」


「ごめん...。傘忘れちゃって」


慌ててタオルを取りに行き、一緒に床を拭く。


「...菜々子、また何かあったのか?」


「えっ?なんで?何もないよ」


もうこれ以上、翔ちゃんには迷惑かけないって決めたんだから。
バレないよう平然を装う。


「嘘だ」


「ちょっ...翔ちゃん?」


いきなり腕を掴まれた。


「じゃあちゃんと俺の目を見ろよ。...目を反らすなよ」


「翔ちゃん...」


翔ちゃんを見ると、翔ちゃんは真っ直ぐ私を見つめていた。


「...っ、もー!翔ちゃんってば心配しすぎ!私も、もう大人なんだから。大丈夫だし!」


「...だから嘘つくなよ。言っただろ?俺には分かるって」


腕を掴む力が強まる。



「逆にそんな顔されていられる方が、見てる方も嫌だ」


もう...。なんで翔ちゃんはいつもそうなの?こっちの気もしらないで。


「翔ちゃんのバカ」


「バカで結構だよ」


本当にバカだよ。どうしてこんなに面倒な女のことを気にかけちゃうのよ。


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「...ニューヨークに?」
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