君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
なっ…なるほど。
そこまでやっちゃうとは、さすがと言うべきか、なんと言うべきか...



「やっと理想の男だけの職場になった。…それなのに」


「それなのに私が来てしまった」


「…はい」


なんだかこの先の小山君の話、聞きたくないな。


「みんな女イコール、うるさい、仕事が出来ないって思ってるんですよ。…だからみんなあんな態度なんです。笹山部長の秘書も仕事そっちのけで、藤原係長にモーションかけてましたから…」


確か笹山部長の秘書さんはつい最近出来ちゃった婚で寿退社したな。


「だからみんな女には敏感っていうか、嫌気がさしてるっていうか…櫻田さんは悪くないんすよ?ただ…」

「うん…。大丈夫だよ小山君。凄くよく理解出来たからフォローいらない」


「…すみません」


そっか…。もう私という一人の人間としては、みんななかなか見てくれそうにないのね。


「みんな女には何一つ期待してないし、むしろ邪魔なのね」


「…そう、ですね」


「うん…納得出来たわ。午前中のみんなの態度が。私が女な限りみんなは受け入れてくれそうにないのね」


「…多分」


「そっか…なら、みんなの認識を変えるしかないわね」


「えっ…?」


時計を見ると、休憩時間も残りわずか。

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