2LDKの元!?カレ
「小松チーフ、聞いてますか?」
西野くんの声に、私はハッとして顔を上げた。
「え、ごめん。もう一回言って」
「ですから、そろそろ鏑木圭(かぶらぎけい)から取材の承諾を得ないと、会議に間に合いませんって言ったんです」
「そうなの、分かってはいるんだけど」
西野くんが焦るのも分かるよ、と私は小さく頷いた。
週明けの編集会議にかけるはずの新しい企画は、題してラグジュアリー・ナイト。
いつも頑張っている自分へのご褒美として少し奮発して服を買い、ヘアからネイルまでトータルコーディネートをした姿で素敵なディナーに出かける。
恋人とでもいい。友達とでもいい。大切な誰かと、少し贅沢な夜を過ごしてみませんか?
――という提案。