未定
mitei
 あれから一輝君とは一度も喋っていない。
いつからだったかはわからないけれど、しばらくしてから一輝君は変わった。
 
 何が変わったのかはわからないけれど、なんとなく冷たくなった気がする。
私の思い違いかもしれないと、そう思っているうちに
本当にガラリと一輝君は変わっていった。
  

髪を染めピアスを開けて、手には沢山の指輪。
一輝君の周りには沢山の人が集まっていていつも騒がしい。

 だけど、沢山の人といるのに、どこか寂しそう。
周りから一線を引いて、自分の世界と相手の世界にきっちり綺麗な線を引いてる。
 その線をずっと見てる。

すごくすごく寂しそうで、悲しそうだった。
一輝君は、どんな世界を見てるんだろう。
どんな音を聞いて見て何を思うんだろう。

そう思ってるうちに気づいた。
私って一輝君のことが好きなんだなあって。

だから目で追ったり何を感じて思っているのか知りたくなったり、
どうしてそんなに寂しそうな背中なのか、何を背負っているのか

半分でもいいから寂しさや悲しさ、私がもらってもいいのに。と思う。

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