幽霊女に恋をした。



私は、光に包まれる寸前で



声を張り上げた。





「待ってくださいっ!!」




光が、止まった気がした。





「私はまだ、この世界でやらなきゃならないことがある!大切な人に、伝えなきゃいけない言葉があるんです!!だから、あと少しだけ、時間を下さい…」





そう、光に向かって



叫んでみるけど…





光は、なんの反応もしない。




「お願いしますっ!!」




そういって、ぶんっと頭を下げる。





せめて、今日だけでも…




龍さんにお別れを言うだけでも…






『あと…』



その時、私の頭の中に声が響いた。




< 316 / 357 >

この作品をシェア

pagetop