お前に拒否権はないっ!


あたしは泣きながら新篠くんにメールを送った



特に内容は書かず、電話番号だけをのせて



そして憂鬱なまま教室へと戻った



教室に戻るまでも散々色んな人に文句を言われ、教室でもみんなが少し遠くでヒソヒソと話をしているのがわかる



人の噂も75日とかいうけれど、75日なんて2ヶ月半もあるのよね…


耐えられるかボケェェェェ!!!!!



「せめて四十九日にしてよ…」



そう力なくつぶやくと



「なに?親戚か誰かの四十九日あんの?」



とあたしのことを覗きこんでいる新篠くんがいた



「あたしの。あたしの心は今日他界したの」



そう言うと新篠くんがちょっと怒った顔で



「芽衣さぁ、ちょっとやそっと何か言われたくらいでメソメソしてんじゃねーよ


俺の彼女になりたくてもなれない奴のこと考えてみろよ


告白までしたくせに、もっと胸張って俺の彼女やれよっ!」



いや、告白してないし


そもそも脅迫されてなかったらあんたの彼女なんか全力で譲ってあげるわよっ!



でも脅迫されているなんてみんながいる教室で言えるわけもなく…



「そっ、そうだよねー。


いやぁ、予想はしてたけどあまりにも反響大きくてちょっと自信なくしちゃった


ごめんごめん。


あー、本当にあたしって幸せ者だなぁ(棒読み)」



と心にもないことを言って満面の作り笑顔で新篠くんに微笑んだ


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