Wonderful DaysⅠ
此処はヘリポートから出た所の裏道だから、この時間はかなり暗い・・・筈なのに。
道路も路肩も眩し過ぎるほど明るい。
───何だろ?
不思議に思いながら見ていると
「これは・・・暴走族ですね」
運転席から木田さんの声が聞こえた。
『暴走族』
今の私にこの言葉は禁句。
「え・・・暴走族っ!?」
思わず、体がビクリと動いて木田さんを見た。
「ここ最近では暴走族の数も減っていると聞いていましたが、まだこんなに大きな暴走族があったんですねぇ」
木田さんの言葉に、この暴走族は大きいんだ・・・と認識する。
イギリスで暴走族なんて見た事が無かったから実際に会うまでは知らなかった。
視線をもう一度、窓の外に向ける。
───これは、どこのチームなんだろう・・・
もし、白皇ならば絶対に見つからないようにしないと木田さんに迷惑が掛かっちゃう。
そっと様子を伺っていると沢山のバイクと車を遠巻きに見ている人だかり。